でかい”だけ”の声に惑わされるな 〜ノイジーマイノリティをなんとかしよう〜
2度の欠航にも負けず、ファシリテーション集中講座を開催しました。
チームで乗り越えよう、年度替わり! ~ご協力いただきました皆様に深謝~
DBIC×Education=Future 子どもたちの希望あふれる未来を考える(文科省有志・DBIC共催)レポート
3/14に文部科学省有志の皆さんと「DBIC×Education = Future」を開催し、ファシリテーターを務めました。「子どもたちの希望あふれる未来を考える」をテーマに、アメリカからのネット中継やゲストスピーチ、ワークショップに即席プレゼンに懇親会とたっぷりの内容。参加者は教育関係者だけでなく、企業経営者やエンジニア、メディア関係者など多種多様な40名。「子どもたちのために、未来のために、多様性を持って教育に向き合い、対話し、動き出す」ということが今、強く求められていることを共有する場となりました。そしてやっぱり「子は国の宝」です!
今回の企画は文部科学省 木村直人 参事官をはじめとする文部科学省有志の皆さんとDBICとの共同企画。本当に複雑で困難な問題が増していく現代社会で、これからどんな未来をつくっていくべきなのか。そしてその未来を生きる子どもたちのために何をすべきなのか。本当に希望にあふれる未来をつくれるのか。そんなところから今回は「子どもたちの希望あふれる未来を考える」をテーマに、分野を問わず、多様な観点で対話する場を多種多様な分野から参加者をお招きして創ることになりました。
そしてこの企画に快く応じてくれた皆さまの協力を得て、充実した内容に。冒頭はアメリカ・オースティンで開催しているSXSW(サウスバイサウスウエスト)に参加中のリクルート次世代教育研究院院長の小宮山利惠子さんから、ネット中継でのプレゼンテーション。先端技術を活用した教育のあり方をご紹介いただきました。とくにAIやビックデータもいったものが教育に与える影響を鋭く解説。10分間なのに超濃密。さらに会場の皆さんと中継越しにディスカッション。冒頭からいきなりハイレベルな議論です。
続いてゲストスピーチへ。お一人目は今回の企画の発案者でもある、文部科学省の木村直人参事官。今回の企画の背景にある日本社会と教育の問題を解説。実際に日々国の問題と向き合っている立場からの意見は、参加者に対する深く重い問いになりました。ちなみに木村さんは先日の「DBIC×LOCAL -宮崎-」にもご参加頂いたり、北九州のコワーキングスペース秘密基地まで来てくれたりと、私もお世話になってる方。故に今回、木村さんご指名でファシリテーター勤めることになりました。
お二人目はDBICのタレントプラットフォーム(各分野のユニークな方たちによるネットワーク)のメンバーである、産業技術総合研究所 客員研究員の宮﨑淳さん。人工知能などのテクノロジー分野を渡り歩き、シリコンバレーとも関わりながら創業や事業創出を進めてきたご自身の活動を紹介いただきました。これからの働き方がどうなっていくのか、そのリアルな事例としてのお話しでした。
三人目は株式会社prima pinguino 代表取締役の藤岡慎二さん。教育、とくに高校の魅力アップを通じた地方創生の実践者です。地方創生事例でよく出てくる海士町のモデルを創った方。教育から地域の活性化、産業につながること、そして人口減少問題を解決する糸口があることを感じさせてくれる内容でした。ちなみに株式会社prima pinguinoのロゴはDBICと同じファーストペンギン。やっぱり飛び込まないと、チャレンジしないとダメですね。
こんな短時間で(ちなみにおひとり5分程度)聴くなんてもったいないような、なんとも豪華なゲストスピーチを終えた後は、総勢40名によるワークショップへ。ようやく私としてはファシリテーターとしての仕事の時間です。「子どもたちの希望あふれる未来を考える」というテーマに対して、それぞれお一人お一人に感じるところもあり、共有したいこともたくさんあるように感じれたので、短時間でできる限り深く広く対話することを意識して場づくりをしました。
まずは三人一組でゲストスピーチの感想を共有。とても刺激的な内容だっただけに、乾燥の共有だけで、マイクを通した私の声も届かないくらいの盛り上がりに。
次に付箋を使った意見や想いを共有する時間を創りました。一人一人の意見を発言してもらうと、40人もいたらあっという間に時間が無くなってしまいます。けれども付箋に書き出したうえで対話すると、本当に短時間で共有することもできるんです。
そして最後は全員で輪をつくり、手をつないで、沈黙の時間をとり、一人一人が自分の頭と気持ちをいったん落ち着けます。
最後にこの輪の中で、ここまでの時間を踏まえて、今伝えたい強い想いがある方に真ん中に立ってもらい、言いたいことを言ってもらうという形をとりました。
結果出てきた意見は(プレゼンした方たちに書いてもらったものをそのまま書き出しています)
・子どもとは生まれてからの時間が短いこと以外の意味は何もない
(それ以外は大人も子どもも関係ない)
・自分が良いと思ったことには勇気をもって一歩踏み出し参加しましょう!
・活躍できる場を増やす
・多世代交流コミュニケーションの場を創る
・子どもの未来はシニアがカギを握っている
・子どもたちの声を聴く、対話をもっと
・次(こどもたち)につなげる!
・自治会、町内会に入る
といったもの。総括すると、本当に教育に対して多様なひとが多様な観点で、真摯に向き合い、対話する場が必要であること。さらには行動する・実践してくことが必要となっていることを確認するに至りました。もちろん、今回は大人だけで対話しましたが、当事者である子どもたちも場に参加してもらって進めていくことが必要になります。
ワークショップで起きた対話はそのまま懇親会の中でも。北九州でつながった林田酒店さんから送ってもらった日本酒などをいただきながら、お酒も入ったぶっちゃけトークに。これがまた深い。お酒やお茶を飲みながらの対話は、本当にいいアイディアがでてきます。
この中で一番多かった声は「こうした場を継続しよう、広げていこう、それがまずやるべきこと」という意見でした。「子どもたちの希望あふれる未来を考える」ということは、本当に分野を問わずに重要なテーマだということを実感します。本当に「子は国の宝」であり、未来の可能性そのものなのですね。
DBIC×Education=Futureは今回が初めての試み。しかしながら多くの可能性を秘めた場でもありました。次なる展開、考えていきたいと思います。ご参加された皆様、文部科学省有志の皆様、貴重な機会ありがとうございました。DBICの関係者の皆様、ご支援ありがとうございます。子どもたちの希望あふれる未来のために、これからも動いていきましょう!
※今回の写真撮影は、主催者スタッフによる撮影に加え、新橋経済新聞にご協力いただきました。ご協力、ありがとうございました。
http://fieldflow.hatenablog.com/archive/category/DBIC
事業脚本家=助っ人プロデューサー:総指揮者として貢献 ~カタカナ用語の意味を整理したら気づいたこと~
カタカナ用語を整理して大企業病の要因が見え、そしてファシリテーションの必要性に改めて理解したのと同時に、私は私自身が事業脚本家として活動する意義にも改めて気づきました。一言で言ってしまえば、その意義とは「事業脚本家は社会に不足しているプロデューサー:総指揮者としての役割を担うことができる」ということに尽きます。しかも、柔軟に、今すぐに、新しい“つながり”とともに提供することが可能です。ゆえに何かを成そうとしている方たちに、私は事業脚本家すなわち助っ人プロデューサー:総指揮者として貢献できることに改めて気づいた次第です。
大企業病は大企業に限らず、社会全体に広がっています。ベンチャーにも中小企業にも、大学にも、行政にも(行政の場合はお役所仕事、といいますが)。社会全体の閉塞感、と言ってもいいかもしれません。しかしながら、大企業病にあっても決して現場で関わっている当事者の方たちは無力ではなく、キレ者も多い。専門的な知識や経験を積み、私などでは到底及ばない技術で価値ある商品やサービスを提供し得る可能性を十分に持っています。彼らに必要なことはもはや、高度な知識などではありません。必要なことはきっかけだけ。動き出せば必ず成果に変えることができます。
ただ、必要なきっかけの形も、その後の動き方も関わる人や環境、時期によって大きく異なります。必要な時に、必要な形で、必要なだけ、柔軟にきっかけをつくれなければ、動き出すことができません。
こうした柔軟なきっかけ作りはプロデューサー:総指揮者的な存在が担う最も重要な役割です。しかしながら、社会全般にプロデューサー:総指揮者としての役割を本質的に担える人材は決して多くありません。とくにアウトカム:社会的影響の観点と、ソーシャル:社会の視野までをもっていることを求めると、非常に少なくなります。
では、どうすればよいでしょうか。ひとつはプロデューサー:総指揮者を担える人材を育てていくことが重要です。しかしながら、知識を詰め込めば育てられるわけではなく、経験を積んで、自ら研鑽を重ねていかなければ本質的には担えるようになりません。時間がかかります。しかし、世の中の流れは待ってくれません。短期的な解決策も必要になります。となるともうひとつは、プロデューサー:総指揮者を本質的に担うことができる人に助っ人に来てもらうということです。
もちろん、助っ人として来るプロデューサー:総指揮者はあくまでも助っ人です。内部事情・個別の状況についてはは詳しくありません。むしろ、プロデューサー:総指揮者を必要としている現場で関わっている当事者の方たちのほうが、はるかに詳しいというのが当たり前でしょう。つまり、助っ人に来るプロデューサー:総指揮者は別の価値を持ってこなければ、成果につながるきっかけを創ることが難しくなります。では何をもってくるべきか。それは新しい“つながり”です。これまで現場で関わっている当事者の方たちだけではもち得なかった、領域・地域・組織を超えた新たな、信頼に足る関係性を持ってくることです。新しい“つながり”は、新しい気づきを自然と生み出します。そして気づきは行動を変え、成果を変えていきます。
まとめると、大企業病を患ってしまっている現場には、柔軟な支援として、今すぐ、新しい“つながり”を提供できる助っ人としてのプロデューサー:総指揮者が必要だということになります。そして、事業脚本家はまさにこの役割を担っています。
改めて振り返ると、事業脚本を創っていくためには、当事者の方々との対話が前提です。そこからいつ、どんな形で、どのくらいのことが必要になるかを共有したうえで、“やりたい”という想いが重なったときに、型に囚われることなく、可能な限り柔軟に提供しています。そして事業脚本家という職業で独立して活動していますので、基本的には外部からの貢献を随時助っ人として提供しています。条件さえ整えば、その日のうちに動き出すなんてことは本当によくあります。また、農業・食・健康・ものづくり・IT・まちづくりなどなど多種多様な分野にまたがった活動をしており、ファシリテーションを大きな武器としていることもあって“つながり”の提供は常に行っています。
つまり、事業脚本家として私が活動することは、社会に不足するプロデューサー:総指揮者の穴を埋めることになっていたのです。事業脚本家=助っ人プロデューサー:総指揮者だったのですね。だからこそ、行政や企業、大学などで、何かを成そうとしている方たちからお声がけいただけていたのだと改めて気づきました。自分が貢献すべきことが分かった以上は、より一層事業脚本家としての活動に磨きをかけていきたいと思います。そして事業脚本家として生きる私の人生を通じ、「世界を驚きと喜びと安心で満たす」ことを少しずつでも叶えていきたいと想いを新たにしています。
農林水産省事業「戦略的技術開発体制推進セミナー」松山レポート ~継続的に率直かつ真摯で対等な対話の場づくりを~
3/10、松山にて農林水産省事業「戦略的技術開発体制推進セミナー」の第8弾を開催して参りました。ついに最終回。各会場同じテーマであるにもかかわらず、パネルディスカッションでは実に多様な議論に発展したことは、ファシリテーターとして参加した私としてはとても印象深いです。そして今回は最終回に相応しく、日本の農業をとりまく社会に大きく切り込んだ・踏み込んだ内容となりました。結果、本当に日本の農業・一次産業の未来を感がるのであれば、継続的に率直かつ真摯で対等な対話の場づくりをまずは行うことが重要だということが共有できました。
今回は研究者の立場から農研機構からみかんの研究をされてきた杉浦先生と、生産者の立場から技術を活用して農業の効率化を推進する農匠ナビ会長の福原氏に話題提供者として登壇いただきました。特に杉浦先生のみかんの成分であるβークリプトキサンチンが骨粗しょう症に効く、というお話は愛媛・松山の会場にぴったりの内容でした。
そんなお二人を交え、さらに会場からの意見も取り入れながらのパネルディスカッション。冒頭、いきなり出てきたのは、「研究ネットワークの必要性はわかっている。しかし、日本の農業をどうしたいのか、その方針を出す政治家や行政、関連組織の方向性が見えない」という踏み込んだもの。恐らく農林水産業に関わっている・いないに関わらず、なんとなくみんなが思っていたことで、なんとなくタブーにして踏み込まなかったところがパネルディスカッションのスタートラインとなりました。
お役所仕事的にやるならば、このテーマはお茶を濁して終わらせるのですが、そんなことでは「驚きと喜びと安心」がありません。事業脚本家としての私の理念に反します。というわけで、そのまま突っ込んで議論。
すると登壇されている方も、会場にいらっしゃったほかの方たちからも、表現は違えど同様の問題意識が見受けられます。とくに農林水産業に関わる要素を個別単体で見てしまい、流通・消費なども含めた社会全体の連動性を見ていないこと、結果打ち手が局所的になってしまっており根本解決にいつまでも至っていないこと、さらにはこれに対応していくための議論の場も教育環境もできていないことは共通認識として得ることができました。
そして話はさらに深く、いい意味で泥臭くなり、研究現場や農業現場のしがらみについての議論につながりました。研究者にとっては組織の中で成果を上げる、研究予算を得ていくためには論文が大事になります。そしてあまりにも論文を書くこと・発表することに焦点を当てすぎて、農業分野の研究をしているにもかかわらず研究室から出ない、なんていう方が実際にいる。一方で農業現場も自分たちのやり方、慣習に対して頑なになりすぎて、外とのつながりを持たず、疑心暗鬼になって、新しい可能性を受け入れることができなくなってしまっているひともいる。そんな本音を議論の中から見ることができました。
そしてこれらの奥には利権構造も見え隠れしています。本来、より生産性の高い農業を実現するために、立場は異なってもいろいろな方たちが繋がり、活躍することができるはず。にもかかわらず、農業としての生産性を高めること・価値を高めることよりも、もっと大事にされてしまっている利権が存在しているのです。しかも、それをわかっていても誰も切り込めない。切り込んでしまえば自分の立場が危ぶまれてしまう。そんな複雑な状況が起きているのです。
ではどうしていくべきか。まず社会全体の連動性を捉えることが必要です。そのうえで、農業をテーマにして多種多様なひとが真剣に対話するところから始める。対話がなければ何も知ることができませんし、見ることも、触れることもできません。政治家だろうが生産者だろうが研究者だろうが、裸一貫対等な立場で真剣に向き合うことから始まるのです。そしてそこから生まれてきた可能性に真摯に取り組んでいくことが必要になるわけです。
もうひとつ必要なことは、やはり教育。農業について知っていくことも大事なのですが、それ以前のより一般的な食育も大事になります。なにが美味しいもので、何が体に良くて、逆にこういう食べ方はよくない、といったことを知っていくことは社会全体で必要なことになります。この食育をきっかけに、農業とはどういった意味が社会的にあり、今後どうしていかなければいけないか、といったところを学んでいける環境づくりも必要になっていきます。
農業の抱えている問題は簡単ではありません。研究ネットワークはその解決策の糸口にはなり得ます。しかしそれ以前に、まずは多様な利害関係者が率直に、真摯に、かつ対等な立場で対話する。そこから始めなければ何も変わなないとうことを改めて認識する場となりました。
またこうなってくると別会場での議論にも挙がっていましたが、ファシリテーターやプロデューサーの存在は非常に重要になります。教育は長期的な観点で必須となりますが、短期的にも手を打っていかなければなりません。数は決して多くなりませんが、実践的に活動できるファシリテーターやプロデューサーを確保していくことは必須命題となるようです。手前みそではありますが、事業脚本家である私は、プロのファシリテーターでありプロデューサーです。身を引き締めて、今後も農林水産業を始め各種産業分野に関わっていきたいと感じています。
ファシリテーションをちゃんとお伝えしたい理由 ~カタカナ用語の意味を整理したら気づいたこと~
カタカナ用語を整理することで大企業病の要因が見えてきました。それと同時に、私自身がファシリテーションをちゃんとお伝えしようとしている、学びの場を提供したいと思っている理由も明確になりました。その理由は、私自身の願いである「この世界を驚きと喜びと安心で満たす」ために必要という一点に尽きます。
私自身の願いである「この世界を驚きと喜びと安心で満たす」ことを叶えるためには大企業病は大敵です。社会全体に蔓延しているので、大企業病というよりも社会的な閉塞感・無気力感・どうにもならない感といったほうがいいかもしれません。本当に何とかしなければなりません。となると、大企業病の要因の整理に基づけば、処方箋は明確です。
・真の意味で役割として担えるオーガナイザー:最高責任者とプロデューサー:総指揮者を社会全体に増やしていく
・リーダーシップ:影響力、フォロワーシップ:協調力、ファシリテーション:協調力の能力をより多くの人が身に着ける
・イノベーター:傾奇者やアーリーアダプター:先駆者の資質を矯正することなく、活かしきる
・アウトカム:社会的影響の観点をものごとに加え、実践していく
・ソーシャル:社会の視野をもってものごとに関わり、実践していく
しかしながら、これはまさに“言うは易く行うは難し”という状況です。プロデューサー:総指揮者などの役割を担える人はすぐにはできませんし、イノベーター:傾奇者などの資質を活かせる状況も簡単にはできません。アウトカム:社会的影響の観点やソーシャル:社会の視野は、言われれば理解できる人も多いでしょうが、実践に落とし込むことには壁があるでしょう。なぜなら、これらは組織・環境・人が密接かつ複雑に関わっており、有効打を見出しにくいからです。
ただし、能力だけは少々異なります。直接、人にだけ作用する施策として、セミナーや研修、勉強会のような場を提供することができます。そして人を通じて、組織・環境に作用させていく、上記の役割・資質・観点・視野に影響していくことが可能になるのです。なぜか。それは能力については原理原則があり、根本を抑えれば応用がいくらでも効くからです。つまり、大企業病に対しての処方箋を実行するには、人に焦点を当てて原理原則を伝えることで能力を伸ばしていくことが必要ということになります。
このとき、マネジメント:対処力やオペレーション:遂行力については、ある程度、学校や企業組織などで学ぶ機会があります。リーダーシップ:影響力やフォロワーシップ:協調力、コーチング:促進力については学校ではなかなか教えてもラうことが少ないかもしれませんが、近年の企業研修などで扱われ、学ぶ機会は増えてきています。しかし、ファシリテーション:調律力については、ほとんど学ぶ機会がありません。“ファシリテーション研修”と名のついている研修も存在はしていますが、そのほとんどが単なる会議やワークショップの進行役としての技術を伝えるに留まっています。ファシリテーション:調律力=“多種多様な考え方があり、立場がある中で、それぞれの力を最大限に発揮できる関係性を創っていく能力”を学ぶ場としてはほとんどないのです。
一方でファシリテーション:調律力は事業脚本家として活動する中で、不可欠であり、最も重要視する能力です。ゆえに私自身、ファシリテーション:調律力に対する理論的な整理を重ね、実践のための直感的な感覚を磨き、原理原則を見出してきました。結果、ファシリテーション:調律力を活かして、例えば経済産業省であれば“おもてなし規格認証事業”の認証機関としての活動を推進し、農林水産省では“「知」の集積と活用の場”や“研究ネットワーク形成”の推進、民間では虎ノ門のDBICでのディレクターとしての活動などの実績に結びついています。
であれば、やるべきことは単純です。私自身がファシリテーション:調律力を学ぶ場を提供していけばよいのです。正直、事業脚本家として生きる私にとって、学びの場を提供することは本来の領分からは外れてきます。しかし、「この世界を驚きと喜びと安心で満たす」為に必要ならばやるべきですし、やりたいという強い想いがあります。
そして幸いなことにコワーキングスペース秘密基地から始まった創生塾や、創生塾に類する場がすでに存在しています。すでにほかの能力については学べる環境が整っており、ファシリテーション:調律力について学ぶ場を提供すれば、確実に大企業に対する処方箋として機能することができるのです。ひいては、「この世界を驚きと喜びと安心で満たす」ことを叶えることに着実に繋げていくことができるのです。
以上をまとめると、私自身の願いである「この世界を驚きと喜びと安心で満たす」ために、ファシリテーション:調律力についての学びの場を提供することが重要なことだと気付き、それが実現できる環境が秘密基地・創生塾の場を通じて揃った、ということなのですね。これまでは無意識でやっていたことだったのですが、大企業病の要因を整理したことで明らかになったという次第です。だからこそ、これからはより意識的に、ファシリテーション:調律力についての学びの場を提供し、関わるひとたちの未来を「この世界を驚きと喜びと安心で満たす」ことに尽力していきたいと思います。