事業脚本家という生き方。

フィールド・フロー代表取締役 渋谷 健のブログ。

ソーシャル?ドメイン?カタカナで表す”視点”の意味を整理してみた

 カタカナの意味を整理してみようシリーズ 第5弾。今回はソーシャルやドメインなどものごとに対する視野を表す言葉を整理してみたいと思います。いつものごとく、事業脚本家としての経験を踏まえ、今回も愛読書「キングダム」を例えに使って。なお、毎度のことながら一般的な定義とは異なるので、悪しからず。

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 さて、前提整理。今回はカタカナで表される視野を表す言葉を整理していきます。ところで視野とは何でしょう。ここでは、意識している対象範囲と位置付けていきたいと思います。視野が広ければいろんなことを意識していて、狭ければ特定のものごとに焦点を絞り込んでいる、ということになります。また、視野は広げたり、焦点を絞ったりすることが教育や経験を得ることによって出来るようになると考えます。では、今回もカタカナで表される取組・成果がどんなものかイメージしやすいように、漫画「キングダム」を例にとって解説していきます。


〇ソーシャル : 社会
 社会全般の動きが対象範囲となります。社会全体の動向、政治や経済、技術確信、環境問題に社会問題と多岐に渡ります。関連性も見えにくく、時間の流れも関わります。とても複雑で、常に想定を超えて変わり続ける難しいものごとの流れを捉えることが求められます。
 キングダムでいうと、やはり秦国の王・政や、左しょうじょうの昌平君が常に意識している範囲でしょう。他にも李牧などももっています。国づくりには不可欠な視野ということですね。


ドメイン : 領域
 自らが狙っている市場や地域、業界などの領域を対象範囲とします。対象領域についてのあらゆる動向を意識することになりますが、関連性が見えやすいことが特徴です。複雑ではありますが、ある程度整理して捉えることが可能になります。
 キングダムでいうと、一つ一つの戦が該当します。ゆえに王毅をはじめとする将軍たちが戦場を捉える視野、つまり個々がどういう戦況にあり、どう手を打つべきかを考える姿がイメージと重なります。


〇リレーション : 関係性
 自分がつながっている相手との関係性、つながり方を対象範囲とします。つながってる相手の動向をつねに追いかけ、相手に合わせて対処していきます。相手に焦点を絞ることで観察しやすく、状況も客観的に捉えやすくなります。
 キングダムでいうと、個々の部隊長の視野に当たります。他の部隊の動向は一旦横に置き、自分の兵たちの士気や相対する敵の状況を捉える視野です。百将、三百将として戦場に出ていた信はこの視野で戦っていたことでしょう。


〇ロール/ファンクション : 役割/機能
 自組織や個人の果たしている役割や機能を対象範囲とします。基本的に内部的な状況を常に監視し、役割や機能を十分果たせているかを評価し、問題を捉えて対処していきます。対処が内部に集中する分、素早く適切に、そして十分な量を行うことが可能になります。
 キングダムでいうと、目の前のことに猪突猛進する初期の主人公・信などがイメージと会います。多くの兵たちも同じでしょう。自分の役割・機能をしっかり果たさなければなりませんからね。


〇エレメント : 要素
 自組織や自分の持っている特定の要素、部品、側面を対象範囲とします。細かいところを丁寧に扱い、対処していきます。企業であれば個々の商品やサービス、さらにはその商品やサービスを構成しているもの一つ一つを見ていくイメージです。一つ一つ丁寧に積み上げることは、全体の品質を向上させることにもつながります。
 キングダムでいうと、個の強さを求める蚩尤の一族など暗殺家業の登場人物や、武神を名乗る趙国三大天の龐煖といったところでしょうか。一つ一つの強さの要素を積み上げていく姿が重なります。


 以上のように整理すると、ソーシャル:社会>ドメイン:領域>リレーション:関係性>ロール/ファンクション:役割/機能>エレメント:要素という形で視野が絞り込まれていることがわかります。視野が広いと抽象的になりやすいですが全容を捉えられ、大きな対処ができ、逆に絞りこむと具体性が増して個別の対応の精度はあがりますが全容が見えなくなってきます。要するにバランスが必要なわけですね。