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事業脚本家という生き方。

フィールド・フロー代表取締役 渋谷 健のブログ。

大企業病はなぜ起きるのか? ~カタカナ用語の意味を整理したら気づいたこと~

 カタカナ用語の意味を整理してみようシリーズを5回やってみて、気づいたことがあります。一つは大企業病が起きている要因です。もう一つは自分がなぜファシリテーションだけはちゃんとお伝えするプログラムを作ったのか、という理由でした。また、事業脚本家として活動する意義も改めて感じ取る機会となりました。まずは大企業の要因に焦点を当てて気づきを整理してみます。なお、ちょこちょこキングダムの例えが入るのは趣味ですのでご容赦ください。

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 大企業病はもはや大企業だけのものでなく、行政にも大学にも中小企業にも、さらにはベンチャー個人事業主にも蔓延してます。もはや、大企業病は日本の経済、ひいては社会全体の問題ですね。

 ところで、大企業病とはなんでしょうか?簡単にいうと手続き主義で、責任があいまいで、動きが遅い・ない組織の状態です。なんのためにやってるかわからない会議が多かったり、稟議書などの内部書類が大量にあったり、事業責任者が分かりづらく、リスクをとる投資ができなかったり、何をするにも上に伺いを立てて中々行動できなかったり、とはいえ内部序列があって年上や上司は無条件に偉いことになってたりするし、内向き志向なので外との繋がりを避けて隠蔽体質にもなったりする。こんなことが症状として起きてます。しかも面倒なことに当事者に自覚意識はない、あっても本気で治す気がない、他人事として片付けてします、ということが多いのです。いわゆる茹でガエルという奴です。

 

 さてこの大企業病、まずは整理した役割をもとに見て行きましょう。まず見えてくるのが、実質的に軍師的な役割をするプロデューサー:総指揮者がほとんどいないということです。組織的な仕組みの中で役職としては与えてはいますが、実力が伴ってないことが多いのです。なぜかというと、実務担当者の立場から年を重ねるごとに、自動的に上位の名前だけの役職だけ与えられてしまうからです。ディレクター:現場責任者くらいまでは現場経験でなんとかなるかもしれませんが、プロデューサー:総指揮者は別格。キングダムでも王賁が飛び級で将軍になることを昌平君や騰が反対したように、現場感覚とは異なる感覚が必要になるからです。しかし、プロデューサー:総指揮者になるための教育や経験を得る場は提供されることは本当に稀です。加えてオーガナイザー:最高責任者も、プロデューサー:総指揮者は別格であることを理解してなくてはいけません。しかしながら、大企業病の場合、オーガナイザー:最高責任者ですら現場感覚だけで上がってきてしまうことも少なくありません。そうなると当然、残念ながらプロデューサー:総指揮者の意義は理解されませんし、そもそもオーガナイザー:最高責任者としての責務も果たせるか怪しいことになります。

 今度は能力に焦点をあてましょう。大企業病の場合、マネジメント:対処力と、それに従うオペレーション:遂行力を重視しがちです。また、派生してコーチング:促進力には意識が向きます。マネジメント:対処力とオペレーション:遂行力が高ければ、同じことを続けるにはとてもやりやすい環境になります。ただし、リーダーシップ:影響力やフォロワーシップ:協調力といったところは、一部のできる人たちにお任せ・丸投げすることが多く、むしろ成果が出るまでは知らんぷりしてしまうことも少なくありません。また、ファシリテーション:調律力については意識が向いていないので、セクショナリズム(縦割り)や派閥ができやすくなってしまいます。結果。変化対応力に欠けやすくなります。実際、マニュアル作って、人材育成して、作業管理して、という対応は大企業病の組織は大好きですが、新規事業や組織変革はお茶を濁すような対応になることが多いです。

 次に資質に焦点を当てましょう。大企業病に陥っている場合では、レイトマジョリティ:同調者の比重が大きく、次にアーリーマジョリティ:賛同者、ラガード:頑固者というところが多くなっています。そしてアーリーアダプター:先導者は非常に少なく、イノベーター:傾奇者はほとんど皆無と言っていいでしょう。厳密にいうと、イノベーター:傾奇者やアーリーアダプター:先導者の資質を根本的に持っている人たちはいます。ただ、組織的にレイトマジョリティ:同調者であることが良いこととされ、矯正されていってしまうのです。結果、様子見体制、動きが遅い・ない状態に陥ってしまうのです。

 観点の話に移りましょう。大企業病の場合は、よくてアウトプット:成果の観点までアクティビティ:活動、モデリング:企画構想、スタディ:調査探求と絞り込まれた観点のほうに比重が置かれていきます。ゆえに内向きになり、社会に影響を与えていくという発想が生まれません。結果、社会から影響を受け、周囲の環境変化に踊らされ、その状態を避けるために頑なになる傾向が強くなります。

 視野ではどうでしょうか。こちらも大企業病になっていると、よくてドメイン:領域までで、ロール/ファンクション:役割/機能やエレメント:要素のほうが比重が大きくなります個別最適を積み上げていく発想です。これは全体のバランスが取れている状態であれば問題ありませんが、全体のバランスが崩れている状態だと、複雑骨折をしている人に絆創膏を張るような治療をして済ましてしまうぐらい無理のあるものになっしまいます。そして、無理があるという事実に蓋をするかのように、より絞り込まれた視野での議論をして正当化を続けるようになってしまいます。

 

 以上をまとめると大企業病の要因は、
・本来の役割を担えるプロデューサー:総指揮者以上の人を配置せず、単なる役職として与えてしまっている
・イノベーター:傾奇者やアーリーアダブター:先駆者をレイトマジョリティ:同調者に矯正してしまう
・マネジメント:対処力とオペレーション:遂行力に偏重して、リーダーシップ:影響力、フォロワーシップ:協調力がおざなりになり、ファシリテーション:調律力に至っては対応していない
・アウトカム:社会的影響を考えずに、モデリング:企画構想やスタディ:調査探求の短期的・近視眼的な観点のほうが比重が高くなっている
・視野がソーシャル:社会に開かれておらず、ロール/ファンクション/役割・機能やエレメント:要素などの限られた範囲にとどまっている
というところになります。そしてこの状態に自覚症状がないまま突き進んで、茹でガエル状態となっているというわけです。

 

 これら大企業病の要因、キングダムに例えると問題の大きさがよくわかります(キングダムを読んでいる人限定ですが)。プロデューサー:総指揮者である軍総司令でしょうじょう丞相の昌平君がおらず、リーダーシップ:影響力を発揮し、イノベーター:傾奇者として道を切り開く秦国の王・政もおらず、フォロワーシップ:協調力を発揮する昌文君もおらず、だれもアウトカム:社会的影響の観点、ソーシャル:社会の視野も持っていないどころか、目先の重箱の隅をつつくような話しかしない、という状態です。もっと言うと、初期の主人公・信がそのまま腕っぷしだけで軍総司令になってしまい、超保守的な王様と太鼓持ちのような役人が、目先の利益だけで政治や戦争をしているという状態です。そんな中で、他の6国列強による合従軍で李牧に攻め込まれでもしたら、あっという間に国が消滅します。

 こうしてみると、大企業病とは人を、組織を、国を滅ぼしかねない大病、ということになります。社会問題です。しかも大企業だけじゃなく、行政や大学や中小企業、ベンチャーまでこの症状が出ているというのは、本当に困ったものです(私の経験値でしかありませんが)。

 だからこそ、気づいた以上は打ち手を考え、実践していかなければなりません。少なくとも、自分自身がアウトカム:社会的影響の観点、ソーシャル:社会の視野を持ち、ファシリテーション:調律力やリーダーシップ:影響力・フォロワーシップ:協調力の能力を得て、イノベーター:傾奇者かアーリーアダブター:先駆者としての資質を磨き、プロデューサー:総指揮者となれるよう、事業脚本家として研鑽を積んで参ります。

 

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