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事業脚本家という生き方。

フィールド・フロー代表取締役 渋谷 健のブログ。

イノベーター?アーリーアダプター?カタカナ資質を整理してみよう。

 カタカナを整理してみようシリーズ第3弾。今度はイノベーターとかアーリーアダプターとか、カタカナで表現される資質について、事業脚本家としての経験を踏まえ、今回も愛読書「キングダム」を例えに使って整理してみたいと思います。今回も一般的な定義とは異なるので、悪しからず。

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 カタカナで表される資質について、まずは前提を整理してみましょう。今回はイノベーター理論をもとにした整理をします。イノベーター理論というのは、1962年にスタンフォード大学社会学者であるベレット・M・ロジャース教授が提唱した理論です。もはや古典ともいえる理論ですね。イノベーター理論の中で使われている、イノベーターやアーリーアダプターといった定義を資質を表す言葉と位置付けて整理をしていきたいと思います。

 では資質とは何でしょうか。辞書によれば「生まれつきの性質や才能。資性。天性。」(出典:デジタル大辞泉)です。もともと持って生まれたもので、基本的には与えたり、新たに身に着けることはできないもの、とここでは位置付けたいと思います。もちろん、自分が持っている資質に気づけば、磨くことができる、ということも併せて前提に置きたいと思います。

 そして今回もカタカナで表される資質がどんなものかイメージしやすいように(一部の方にとって)、漫画「キングダム」を例にとって解説していきます。なお、コワーキングスペース秘密基地にはキングダム全巻を揃えてあり、こんな話をよくしている仲間がたくさんいますので、よくわからなければ秘密基地に来ていただくのが一番です。

 

〇イノベーター : 傾奇者
 前例にとらわれず、周囲の意見に流されることもなく、我が道を切り開き、進む人が持っている気質。周囲からすると変わり者、理解不能な人に見えます。度肝を抜かれちゃったりします。先人を超えていく力がある人たちですが、一代限りで終わることも少なくありません。イノベーター理論では革新者と呼ばれます。
 キングダムでは、なんといっても呂不韋でしょう。商人の身分から、賄賂を駆使し、権力関係を駆使し、王を除く最高位である相国まで上り詰め、秦国の実権を握るに至りました。また、中華統一を一点の曇りなく目指す秦王・政や、百を超える部族をまとめげ、秦との盟友を結び、勢力を一気に拡大する山界の王・楊端和の姿もイノベーター:傾奇者と言えます。


アーリーアダプター : 先導者
 イノベーター:傾奇者を含めた先人たちから敵も味方もなく純粋に学び、可能性の芽にいち早く気づき、理解し、取り入れ、実現していこうとする気質です。周囲からすると、〝アイディアマン”、“もの好き”、〝挑戦的”な人に見えます。あとに人が続けるように道を示し、創る力がある人たちです。イノベーター理論では初期採用者と呼ばれます。
 キングダムでは合従軍を起こした李牧の姿が当てはまりでしょう。知力によって多数の国を巻き込んで、秦国を窮地にまで追い込んだ手腕には、新しい時代を創る力を感じます。同様にかつて秦に君臨した王毅ら六大将軍も、ひとつの時代を創ったという点からアーリーアダプター:先導者と言えるかもしれません。


〇アーリーマジョリティ : 賛同者
 アーリーアダプター:先導者の姿を見て、憧れて、自らの意思で彼らと同じ道を歩もうとする人たちの気質です。周囲からすると、“時流に乗っている”、“いまどき”な人に見えます。実際に時流を見極めて、流れに乗る力があります。イノベーター理論では前期追随者と呼ばれます。
 キングダムでは主人公の信など、武功を挙げて立身出世を成すことに夢を見る登場人物たちが重なります。蒙恬や王賁といった秦のライバルたちも当てはまります。


〇レイトマジョリティ : 同調者
 アーリーマジョリティ:賛同者の様子を見て、周りに流されるようにものごとに関わるひとたちの気質です。周囲からすると、“ふつう”、“人間らしい”、“親近感がもてる”ような人に見えます。周りに対して安心感や安定を与える力があります。イノベーター理論では後期追随者と呼ばれます。
 キングダムでは主人公である信とずっと一緒にいる、尾平や渕などが重なります。とても人間臭く、愛すべき人物であり、上手に信の手綱を握るあたりの姿からは、影の功労者と言ってもいいかもしれません。


〇ラガード : 頑固者
 周りがどうあっても動かない、流されることのない、頑なな気質です。周りから見ると“気難しい”、“とっつきにくい”、“頑固”に見える人たちです。一見、否定的な表現が並んでいるように見えますが、実は伝統を守ったり、文化を守るための、継続する力に長けています。イノベーター理論では遅滞者と呼ばれます。
 キングダムでは飛信隊がたまたま助けた徐の国のの民などは重なります。伝統を重んじ、たった城一つとなった今でも国として生き続けている。自国の生業である情報を扱いながら。そこには武将とは違う逞しさを感じます。

 

 こうした資質はどれが良い・悪いはありません。例えば、全員がイノベーター:傾奇者だったら世の中崩壊してしまいますし、全員がレイトマジョリティ:同調者だったら何の変化も起きない停滞が続きます。だからこそ、一人一人の資質を見極め磨くことが必要になるわけですね。