事業脚本家という生き方。

フィールド・フロー代表取締役 渋谷 健のブログ。

DBIC×LOCAL -宮崎- 開催レポート ~”好き”は未来を創る大きな力~

 2/2に「DBIC×LOCAL -宮崎-」、開催いたしました。総勢60名の方が参加した今回の場。食を通じて地方創生の実践の現場に何が必要かを、組織・地域・年齢・立場・性別・経験を超えて問い、対話し、つながり、動き出すきっかけとして開催し、そして実際に動き出しました。DBICとLOCALの新しい未来、始めます。

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 今回のイベントの趣旨は「地方創生の機会を活かした具体的な事業創出」を実践するために何が必要か、というもの。特に以下の3つの論点をそれぞれが対話を通じて深堀するために、食を通じて企業経営者・経営幹部を中心に、多様な方々にお集まりいただきました。
 ・地方創生の流れの中で必要となるイノベーションとはどのようなものか?
 ・地方創生を支える多様なコミュニティとは、どのようにあるべきか?
 ・企業が地方創生の機会を事業に活かすには、何が必要となってくるか?

 冒頭は私のほうからの主施説明で、私自身の地方創生の現場での経験から仮説として3つのシンプルな気づきと、3つの問いを提示しました。参加する皆様の対話のたたき台です。ちょっとこの話は深いので、詳細はそれぞれ別の記事で。

 <地方創生に必要なシンプルな3つの気づき
 ・必要なことは“この世界に必要なこと”をすること
 ・“心から夢中になれる好きなこと”であり、社会の価値ある役割として担えること
 ・“純粋な ひと と ひと” としての信頼関係で結ばれ、支え、託すこと

 <地方創生の現場から見えた問い
 ・必要なことは組織・ひと自体の根源的変容ではないか?
 ・本当にこの世界に必要なことを、人生を賭けてやれているか?
 ・視野を狭め、思考を止め、感情を閉じていないか?

 こんな仮説を踏まえて、宮崎県庁の中原さんからは宮崎県の農業について全体のお話をいただき、同じく宮崎県庁の柚木崎さんからは加工食品産業の現状を教えていただきました。ちなみに柚木崎さんのお話の中ではたくわんに触れていたこともあって、実際にたくわんを食べていただきながら。ポリポリといい音がする空間が楽しい。

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 続いて、宮崎活魚センター 社長の築地さんと野菜ソムリエの大角さんが登場。お二人には私からのインタビュー形式でお話しいただきました。まずは築地さん。簡単な自己紹介と、女性で魚屋さんの社長をやってきたこれまでの体験のお話、チョウザメにかける思い、これからやりたいことなどを自由に。本当にお魚が好き。その一点でいろんな課題をはねのけて、今ここにいるんだという力を感じずにはいられませんでした。

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 そして大角さん。元々洋服店の店長などもやっていましたが、「私、そんなに服が好きじゃない」と気づき、さらに「野菜が好き」ということに気づいて一念発起。いまや宮崎の有名野菜ソムリエ。本当に純粋に野菜が好きなんだ、というのが表情からも言葉からも伝わってきます。

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 今回はお二人のお話だけでなく、五感を通じて体感してもらいたいというところから、お話を聞きながら実際に料理を食べてもらう時間もつくりました。築地さんが扱っているチョウザメ肉、そして大角さんが大事にしている梶並農園さんのお芋。来場されている皆様から食べるたびに笑顔がこぼれるのも印象的でした。

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 ただ、ちょっとご飯を食べちゃおうとお酒も飲みたくなっちゃいますし、さらに何かおなかにも入れたくなるもの。というわけで、築地さん・大角さんのお話の後はほんの少し休憩して、お酒と食事を自由に召し上がっていただく時間をとりました。もちろん、お魚は築地さんの宮崎活魚センターから、野菜は大角さんの梶並農園さんから仕入れたもの。お酒は日南の焼酎。ANAさんからはワインの差し入れも。

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 あっという間に休憩時間も盛り上がってしまい、何とか再開して今度はトークセッション。今回料理を担当してくれました浅草おとの畑谷さんと、現地取材の様子を振り返りながら築地さん・大角さんとフリートーク。それぞれ築地さんは魚が好きで、大角さんは野菜が好きで、浅草おとのみなさんは料理が好きで。そして浅草おとの皆さんも楽しんで料理を提供してくださったこと、そんな姿を見て築地さんも大角さんも楽しくなったということ。さらには会場の皆さんが喜んで食べてくれるのがとてもうれしいということ。「好き」と「楽しい」と「うれしい」がつながっていくトークの時間となりました。だからこそ、トークの最後の時間、次のステップとして
 ・浅草おとで築地さん・大角さんセレクションを提供する
 ・宮崎で築地さんプロデュースのイベントを開催する
 ・大角さんの民泊にみんなで遊びに行く
 ・今後もこの場をシリーズでやっていく
なんてことがポンポンと出てきて、本当に実行に移っていきました。改めて〝好き”の力の強さを感じます。

 そして最後は本格的な交流会。とここで、特別ゲスト。虎ノ門・新橋を組織・地域・年齢・立場・性別・経験を超えてつながる拠点にしたい、という私の想いに応えて、あのひとがやってきてくれました。そう、虎ノ門ゆるキャラ。カモ虎課長です。カモ虎課長のおかげもあって、交流会はなかなか皆さんの会話が終わらず、中締めしても全然残っているという状態。皆様が楽しんでくれた証拠。企画した私としてはこれ以上なく、ありがたいことです。

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 今回のイベントとしては、いろんな要素を組み込み、混沌としていたものかもしれません。ただ一貫していたことは、楽しい場であること。驚きと喜びと安心で満たされた場であること。〝好き”の力を感じてもらう場であること。この体感を通じて、改めて対話の機会を持てば、必ず大きな気づきが得られます。そしてそれは必ず、新しい未来を創ることにつながっていきます。まだまだ未来は始まったばかり。これからも楽しんでいきたいと思います。

 最後にご協力いただいた関係各所の皆様に御礼を申し上げます。とくに今回ご登壇いただいた築地さん、大角さん、後援をいただいた宮崎県、一般社団法人まちはチームだ、一般社団法人OSTi、セルフ・フードプランニングの関係者の皆様、料理提供をいただいた浅草おとの関係者の皆様、運営に携わっていただいたDBICの皆様、そしてお忙しい中、ご参加いただいた皆様に心から感謝をお伝えしたいと思います。また次回もぜひ、ご一緒に!

 

 

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地方創生の現場への新たな問い ~組織とひとは、より根源的な変容ができるか~

 地方創生の現場でシンプルな3つの気づきを得たことで、私自身の問題意識は変わってきました。政策的・社会的・経済的な課題は非常に多くあります。しかし、それはあくまでも表面でしかありません。地方創生を実践し、社会に価値を提供するためには、今あるひと・組織がより根源的な変容しなければならないと感じています。そして私はこの変容を実現していくことに、事業脚本家という生き方を通じて貢献していきます。

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 地方創生の現場には多くの組織・ひとが関わっています。ただ、残念なことに非常に近視眼的なアプローチをすることが多い。予算や売上、自らの地位・名誉などに固執するあまりに形骸化した取り組みが多い。私はいつも心の底から、残念で悲しい気持ちになります。そして形骸化していく地方創生の現場に触れるたびに、「地域に、社会に、世界に必要なことの大前提は、組織・ひと自体の根源的変容なのではないか」と感じています。もう少し踏み込んで表現するならば、その組織・そのひとが“この世界に存在する意味” を追及することが必要だと感じています。

 組織は本来、目的があってつくられます。存続させることが目的ではなく、組織を通じて創り出される価値が必要だから、組織が存続するのです。そしてひとも同じです。哲学的になってしまいますが、すべての人は何かしらの目的をもって生まれてきているのだと、私は考えています。だから生きているのです。目的を果たすために。しかしながら多くの組織もひとも、“この世界に存在する意味” を忘れてしまっています。だから、一生懸命ごまかそうとする。ゆえに歪みが出る。無理やり正当化しようとする。大企業病などは最たる例でしょう。あとは形骸化した天下り第3セクターも同様ですね。これは残念としか言いようがありません

 そして、“この世界に存在する意味”を追求し、根源的な変容を求めていく過程でもう一つの問いが出てきます。それは、「いま目の前にあることが、本当にこの世界に必要なことであるか?人生を賭けて、自分の命を懸けて、組織の命運をかけてやれるか?」というものです。“この世界に存在する意味”を追求していく過程では、自分自身すらごまかそうとしてしまう心理が働きます。そんなときに立ち返るべきことは、“この世界に必要なことであるか”というところがまず必要です。そして“人生を賭けて、自分の命を懸けて、組織の命運をかけてやれるか”というところを問うことが必要になります。この2点にYesと答えられないのであれば、残念ながら“この世界に存在する意味”は追求しきれていないということになるでしょう。

 ただ、こうした議論をすると必ず起きることがあります。それは、「こんなの間違いだ」「意味がない」「理解できないし、する必要もない」という拒絶反応です。なぜ起きるか。簡単に言うと、怖いからです。今まで自分が安全だと思っていたこと、これまで積み上げてきたもの、あると思っていた未来、そんなものが一気に崩れ去るかもしれないからです。だから、視野を狭め、思考を止め、感情を閉じて拒絶をするのです。ただ、そうしたところで何の解決もありません。自立した自我、つまり自分らしく生きる・行動するということには程遠く、誰かの決めた何かのルールに縛られ続けることを選択しているにすぎないのです。

 私たちは視野を広く持ち、思考し続け、感情を開き、向き合い続けることが求められているのです。たとえ、そこに苦痛を感じたとしても、その先の未来のために。そして「いま目の前にあることが、本当にこの世界に必要なことであるか?人生を賭けて、自分の命を懸けて、組織の命運をかけてやれるか?」を問い続ける“この世界に存在する意味”を追求し続けるより根源的な変容を求める。その先に、地方創生が求めている、創り出そうとしている社会価値が存在しているように感じています。もちろん、これは地方創生だけでなく、あらゆる社会課題に対して言えることですが。

地方創生の現場に必要な3つのシンプルなこと

 地方創生の現場にいると、思うことがあります。「今やっていることが本当に必要なことなのだろうか」。私自身、ずっと現場でこの問いと向き合ってきました。結果、私は地方創生の現場で求められている3つのシンプルなことに気づくことができました。まとめてしまえば「小さな子どもたちに教えていることを大人がちゃんとやろう」というもの。。ただそれだけで、地方創生だけでなく、世界の問題は解決できるのかもしれないと感じています。

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 私が地方創生の現場に関わるようになった一番の要因は、コワーキングスペース秘密基地の存在です。秘密基地と繋がり、たくさんの体験を得たことで、私は世界が資本主義、つまり奪い・所有し・成功者になることを是としてた社会(裏返せば必ず奪われた・所有できない・敗者が存在する社会)から転換しようとすることに気づくことができました。私たちは、それぞれの持っている価値を提供し貢献し合い、新たな価値を創って共有し、互いに幸せを得ていく・分かち合っていく、「創発する社会」を求めているのだと。

 そして「創発する社会」に気づいたことで私は、自分自身の幸せの在り方を考えるようになりました。自分の息子を、妻を幸せにしたい。家族を幸せにしたい。そのためには私自身が幸せでないことにも気づきました。しかめっ面では人を笑わせることすらできません。逆に息子と妻が幸せであること、笑っていてくれることが私の幸せになることも気づきました。しかしながら、私たちは家族だけ生きているわけではありません。たくさんのひととつながっていきています。息子や妻、私を取り巻くひとたちが幸せでないと、やはり幸せをちゃんと感じることができないのです。さらにいえば、私たちを取り巻く人たちを取り巻く人たち、世界にいる人全部が幸せじゃないと、結局は私は幸せ感じられないし、息子も妻も幸せを感じられないのだと気付きました。

 では、幸せとは何でしょうか。幸せは抽象的な概念です。一人一人形が違うものかもしれません。だから突き詰めて考えました。結果、私にとっては“楽しい”と感じられることでした。でも“楽しい”という言葉もまた抽象概念。だからさらに突き詰めました。そして最終的にでてきたのは、相手が驚いてくれること、でも喜んでくれることでした。しかも、安心して驚きと喜びの感情に浸れる状態で。だから私はわかったのです。私の人生は、この世界を驚きと喜びと安心で満たすためにあるということを。そして世界を世界を驚きと喜びと安心で満たすことを追及することが、私の息子と妻を幸せにすることにつながるということを。そのために私は、事業脚本家として生きることが必要なんだと深く気づくことができました。

 私は地方創生の現場を通じて、「創発する社会」が求められており、私は事業脚本家として生きることが必要だということを知るに至ったわけです。そしてこの観点から再び、地方創生の現場を見ると、求められていることはとてもシンプルな3つのことなど気づくことができました。

 ひとつ目は「必要なことは、“この世界に必要なこと”をすること」という気づきです。非常に当たり前のことですが、すべてはこの一言に尽きます。この世界に必要なことが何かを知るために学び、繋がり、動く。見つかったのなら実践する。イノベーションという言葉で表されることも、マーケティングという言葉で表されることも、いずれも“この世界に必要なこと”だからやっているにすぎないのです。だから問うべきことは常に一つ。「今やろうとしていること・やっていることは、“この世界に必要なこと”なのか」もしそうならやるべきだし、そうでないならやめるべきなのです。

 ふたつ目は「“心から夢中になれること”を社会の価値ある役割として担えること」。人間は好きなことのために、愛するもののために、夢中になれることのためにとても大きな力を出すことができます。頭で考える以上に、体で感じて動くことができます。どんな困難にも立ち向かう勇気を得ることができます。精神論、と言われるかもしれません。しかし、どんな人でも一度は体験したことがあることではないでしょうか。だから“好き”という力、“愛する”という力、“夢中になる”という力を最大限に使うことが必要なのです。ただ、この力をむやみに使っても意味はありません。“この世界に必要なこと”を行うために、社会に価値ある役割として使っていくことが必要なのです。

 みっつ目は「“純粋な ひと と ひと” としての信頼関係で結ばれ、支え、託すこと」。“心から夢中になれること”をやると、どうしても手が回らないところが出てきます。すべてはできません。助けてもらう必要があります。ただ、幸いなことに人には個性があります。一人一人、“心から夢中になれること”が違います。自分が担がてなことを、“心から夢中になれること”として担える人が必ずいます。この組み合わせを創っていくことが必要なのです。しかし、単純に組み合わせればいいというわけではありません。意味ある形で機能するための“のりしろ”が必要です。この“のりしろ”が信頼です。しかもより深い信頼であるほど効果が高い。ゆえに組織や肩書などの枠組みで作られた信頼では十分とは言えなくなります。必然的に、人と人で信頼関係を結ぶことが求められてくるわけです。

 “この世界に必要なこと”を、自分が“心から夢中になれること”として取り組み、純粋な ひと と ひと”のつながりで助け合いながら進む。表現は違えど、子どもたちに教える“当たり前のこと”でしかありません。ただ、この“当たり前のこと”ができなくなったから、問題が複雑化して今に至ってしまったのでしょう。大人が当たり前のことをやる。実はそれだけで地方創生はもっと価値のあるものにできるかもしれないし、世界はよいものにできるのかもしれませんね。

 

 

 

農林水産省事業「戦略的技術開発体制推進セミナー」岡山レポート ~事例に基づくネットワークの必要性~

 2/1は岡山にて、農林水産省事業「戦略的技術開発体制推進セミナー」の4発目を開催してきました。今回はより実践的な事例を取り上げて、研究ネットワークはどうあるべきなのかを壇上で議論することになりました。そして実践的な観点を踏まえると、「研究ネットワークがなければ成果はなしえなかった」という結論に至り、研究ネットワークの必要性を認識した場となりました。

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 今回は宮崎県の新福青果の新福秀秋社長も登壇。実際にIT企業などの知恵を借りて、経営を効率化し、高齢者雇用や障害者雇用も実現して成長していった体験もお話くださいました。研究ネットワークを使っている、理屈ではなく成果のある実績をもってお話しされる内容は、どんな言葉にも説得力があるのですね。

 さて、パネルディスカッションでは、そもそも研究ネットワークは投資効果があるのか、という概論からスタートしました。登壇されているパネリストの皆さん全員の共通見解は、「投資価値がある」というもの。今回は前回の名古屋会場にひき続き、農研機構の後藤先生も参加されていたこともあって、新福社長とともに事例を交えてお話しくださいました。お二人とも新しいチャレンジをする機会に直面したとき、一人だったらどうしようもなかったとのこと。しかしながら、周りに助けてくれる人たちがいたからこそ何とかなった。その人たちとのつながりは、まさに今回のセミナーでいうところの“研究ネットワーク”だったということでした。

 パネルディスカッションの後半は、さらに新福社長と後藤先生の具体的な事例を掘り下げながら、研究ネットワークの強みはなにか、どうあるべきなのかを議論していきました。要点をまとめると、以下のようになります。

〇ネットワークはシーズとニーズを融合を果たし、ビジネスを生んでいくための資源
・ネットワークには自然とシーズとニーズが集まってくる
・ネットワークが共有するデータベースを持つことが効果的
・シーズ、ニーズを集めて対話の機会を持つことで新たなビジネスが生まれてくる

〇研究ネットワークは、新たなニーズを創り出していく機能も担う
・より大きなビジョンを共有し、やるべきことを明らかにしていくことができる
潜在的な危機意識を表出化・共有し、課題に対応していくことも可能になる

〇研究ネットワークは、社会関係資本ソーシャル・キャピタル)としての財産
・関係性が多様に深く持てることで、新たなチャレンジを可能にする
・財産である以上、増やしていくこと・資産運用が可能になる
・財産のあり方によって成果が変わることに留意していく

〇研究ネットワークは付加価値を創出し得る
・従来の仕事を継続的に行うのではなく、新しいチャレンジ=不確実性への挑戦をすることに意義がある
・新たなチャレンジの中から、多様な観点で何かしらの付加価値を生み出すことが可能となる
・研究ネットワークはこうしたチャレンジや付加価値創出を支援する


 今回のセミナーの前提仮説として置いている、「ネットワークは資源である」という考え方は、実践の場を通じてすでに実証されているといってもいいかもしれません。そして地域や組織を超えて相乗効果を発揮し、従来不可能であったことを可能にするという点も。となれば、研究ネットワークを活用するかどうかは、研究ネットワークに参加する組織・個人の意思・戦略性に大きく依存するといってもいいのかもしれません。研究ネットワークの価値が見えないのは、単純にその理解が足りないだけであり、理解したのであれば活用する戦略が組めていないということでしかないといえるのかなと感じています。要するに、何かやりたいなら研究ネットワークは使うべきだ、ということですね。

 

「まちはチームだ」の初仕事・大仕事 ~ワーク&ライフフォーラム北九州 2017 完遂!~

 コワーキングスペース秘密基地から立ち上がった一般社団法人まちはチームだ」北九州市と正式な初仕事で大仕事「ワーク&ライフフォーラムin北九州 2017」を見事回し切りました。すごい!そして僕何もしてない。ごめんなさい。でも、うまくってよかったです。何より、新しいワーク&ライフを実践する秘密基地の仲間が、新しい形で出した成果ということに意義を感じています。

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 コワーキングスペース秘密基地では、この秘密基地に集った人たちで、さらに一歩踏み込んだ活動をするために法人をつくりました。それが「一般社団法人まちはチームだ」。秘密基地の理念・哲学を引き継ぎ、その活動の場を北九州地域、さらには他地域・海外へと広げようという動きです。

 そして今回、「一般社団法人まちはチームだ」として初めての大仕事が「ワーク&ライフフォーラムin北九州 2017(主催:北九州市、ウーマンワークカフェ北九州(北九州市)、共催:福岡労働局・福岡県)」。女性活躍をテーマとしたイベント。しかも1月末、平日、真昼間という集客やとても難しい条件が揃う中、社団の名前の通り“まち”というチームでやりきりました。素晴らしい。

 とくに今回のテーマはワーク&ライフ。秘密基地に集まる面々や「一般社団法人まちはチームだ」の面々は、すでに新しいワーク&ライフを実践しています。複業なんて当たり前で、働く場所・時間・スタイルもみんな自由。当然稟議書みたいなものもないし、やりたい人がやりたいことをやることが前提、やりたくなければやらないのが前提で動く。交通整理はたまに必要だけれども、ガチガチの管理なんてものは存在しない。加えてお金にも囚われない。このまちに、自分の人生に、いまこの瞬間に必要なことをやる。ただそれだけ。ゆえにワーク&ライフ」をテーマにしたイベントに関われたことは、自分たちの理念・哲学・文化に合致する取り組みができたといえるのではないかと感じています。

 ちなみに「一般社団法人まちはチームだ」ではサイボウズ青野社長のセミナーや、ママドラフト会議の広報・運営などを担当。おかげさまで大盛況。他にも実際にサービスを体験できるブースもたくさん出ていました。相談窓口もあり、全体としても雰囲気の良いイベントだったのかなと感じました。

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 次のステップとしては、今回は単発イベントの色が強いので、つながっていくストーリーをつくること。イベントは戦術的に利用するものですかないため、新しいワーク&ライフを実践する、その考え方をまちの常識にする、そのための継続的な取り組みにつなげる施策を展開したいですね。例えば創生塾の場を使うなどして。事業脚本家としては創らないわけにはいかないのです!

 そんなわけで皆さん、お疲れさまでした。僕は何もしてないけれど。応援はしてましたよ!

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農林水産省事業「戦略的技術開発体制推進セミナー」名古屋レポート ~お金と研究ネットワーク~

 1/27に今度は名古屋にて、農林水産省事業「戦略的技術開発体制推進セミナー」を開催してきました。これで3会場目。今回は、研究ネットワークが活動するための資金をどうするべきか、という相当踏み込んだ議論でもりあがりました。結局のところ、研究ネットワークに投資する価値・意義を感じさせられるか、というところが要点だったと受け取っています。研究と投資、密接な関係のはずが日本ではばらばらになっていることが多い。この部分を是正していくことが研究ネットワークを活かすために不可欠なのですね。

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 今回は農研機構の後藤先生の講演が、研究ネットワークには何が必要かを明確についたものでした。特に印象深かったのが研究ネットワークをつくるにあたっては参加者同士のWin-Winの関係性が必要であり、以下の要素が必須となるということです。これらの要素を踏まえた後藤先生の活動は、ムラサキサツマイモの研究から、赤霧島などの有名な商品を生み出すに至っています。実績が伴えば、もはや納得する以外がない方法論ですね。

 研究ネットワークでWin-WInであるために。
 1)経営・企業として自立していること。
 2)自社の強みとなるコアコンピタンスがあること。
 3)相互理解が図られていること。
 4)価値観や情報を共有していること。
 5)目的や目標の共有が図られていること。
 6)同じ「場」を共有していること。
 7)相互に意思疎通ができる広いネットワークを有していること。
 8)あくまでも対等な関係であること。

 参考URL
 https://kumamoto.agri-academy.jp/fo/f/245

 

 このほか、市場ニーズをつかむこと、強み・弱み・機会・脅威(SWOT)を整理すること、チームとして動ける状態を創ること、PR活動を行うこと、プラットフォーム(ひととひと、情報と情報などの結節点)をつくることが不可欠ということも教えていただきまし。おっしゃる通り、とっても納得です。

 さて、私が担当したパネルディスカッションでは、こうした議論を踏まえて今回はお金の話に焦点が当たりました。行政の補正予算が1月に執行が決まっても、3月までに使い切らなければいけない、なんてことが起きます。そうなると、実質的に何もできないままお金を無理やり使わなければならなくなる。加えて、補正で単発的に予算をつけても翌年度から予算がなくなり、継続的な活動が難しくなる、といったことも起き得ます。行政予算の仕組みの限界というやつですね。こうした行政予算の仕組みの中で、研究ネットワークという継続性が求めらえる活動をどのように動かせばいいのかは悩みどころになります。

 このとき、ひとつの観点として行政予算だけに頼らない、というものを持つと状況が変わります。民間投資を引き出せば、より自由に継続的に動ける可能性が出てくるわけです。

 しかし、現実問題として投資を引き出すことは簡単ではありません。短期的な視座では研究ネットワークの成果は見えずらいですし、投資に見合うリターンも見通しにくいです。だから投資する側の考え方、価値観から変えることが必要となります。

 また、投資というよりは資金調達・資金投入と考えたほうがより視野が開けるでしょう。株式のような投資だけでなく、金融機関による融資、寄付、行政予算の執行などすべて資金調達の手段です。

 つまり、研究ネットワークは5年・10年のスパンで「社会に必要なもの」を創り出すための施策であり、長期的視座から資金投入する対象であると考えるべきなのです。社会的責任を果たすための事業として捉える、といってもいいかもしれません。そのうえで、長期的戦略の観点から自社が資金投入(現物や人材なども含む)できるかどうかが研究ネットワークの参加条件になります。当然ですが自分でなにもしないひとに、ほかの人は手を貸しません。自分が何も投じないネットワークに、人が何かをしてくれるわけがないのです。そのうえで、あらゆる資金調達メニューを駆使します。民間投資はもちろん、金融機関による融資、公的資金の投入など使えるものを使うわけです。行政施策と連動すれば、PPPやPFIといった形で実装することも可能になります。

 ただ、こうした研究ネットワークにおける投資、資金調達の施策はほとんど動いていません。上記のようなお金に対する考え方自体の認知がまだまだ進んでいないことが大きな要因でしょう。今回行っているセミナーのような場では、研究ネットワークのもつ価値を、資金を投入する価値があるもの・社会的価値があるものとして伝えていくことが必要なのだと改めて感じました。

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DBIC×LOCAL -宮崎- 〜ANA様ありがとうございます! 食を彩るワインと焼酎〜

2/2開催の「DBIC×LOCAL -宮崎-」は食を扱う以上、お酒も忘れてはいけません。今回はなんと、ANA様からワインをプレゼントいただき、さらに宮崎産の焼酎・果実酒もたっぷりご用意いたしました。当日は美味しい宮崎の食とお酒で、心ゆくまで未来への対話を楽しみましょう!

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実はANA様と宮崎県は縁が深く、宮崎に最初に飛行機を飛ばしたのもANA様。そしてDBICとの縁も深く、ANAシステムズの会長であります幸重孝典氏はDBICの運営母体であるCeFILの理事。しかも宮崎県ご出身。さらには今回の企画自体のきっかけが、先般DBICANA様のご協力で開催したボジョレーヌーヴォーパーティにていただいたつながり。たくさんのご縁が重なってこの場ができていることを心から感謝せずにはいられません。とくに今回もご協力いただいておりますANA様には深く感謝をお伝えしたいと思います。

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さて、焼酎のラインナップはせっかくだからご紹介したいと思います。今回は宮崎県日南市の田中酒店にアドバイスいただいて揃えた12品です。

 

<芋焼酎>

・木挽ブルー

・匠蔵

・百薬の長

・音海

・かねきょうかんろ

・嫋なり

・嫋なり(古酒)

飫肥

・いいっちゃが

 

<果実酒>

・酒谷川梅酒

・柚子ろまん

・日向の夏子

 

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