事業脚本家という生き方。

フィールド・フロー代表取締役 渋谷 健のブログ。

農林水産省事業「戦略的技術開発体制推進セミナー」全国ツアー開始!

 今週1/13(金)の東京を皮切りに、農林水産省事業である「戦略的技術開発体制推進セミナー」で全国8か所を回ります。私はファシリテーターとしてパネルディスカッションに参加します。対象は主に農林水産関連の大学研究者・事業責任者・生産者・行政関係者です。見どころは、私がどれだけこうした公式な場で”ぶっこんで”いけるか、ですね。

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 今回の事業は平成28年度農林水産省補助事業「戦略的技術開発体制形成事業」の一環として行われる、研究ネットワークの啓発・理解促進を目的に、農林水産関連の大学研究者・事業責任者・生産者・行政関係者を対象としたセミナーです。2016年1月から3月までの間に、東京・仙台・名古屋・岡山・金沢・大阪・福岡・松山を回ります。わたしは受託事業者である公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会(JATAFF)より依頼を受け、ファシリテーターとしてパネルディスカッションを担当します。

 ここでいう研究ネットワークというのは、農林水産業に関して新しい技術を開発して実際に事業として活用していくための大学・企業・生産者などが組織・地域・分野を超えて協働活動のことです。産学官民連携やコラボレーションやオープンイノベーションといったものとおおむね同じです。

 パネルディスカッションのテーマは、「農林水産・食品分野において、現場ニーズに即した明確な開発目標のもとに研究開発の円滑かつ迅速な実施とその成果の実装(実業での活用)の推進にあたり、研究ネットワークが果たすべき機能・役割は何か?」というもの。一言にしてしまえば、”研究ネットワークはどうあるべきか”ということを議論するというものです。

 さて、このような形で書いてしまうと、堅苦しくて退屈な感じがします。とても驚きと喜びと安心で満たせるような感じがしません。事業脚本家としては何とか一つ手を加えたいところ。

 そこでパネルディスカッションでは、こんな3つの投げかけをしてみようともいます。

 一つ目は「そもそもなんで今までやってこなかったのか」。ネットワークが必要という議論はかなり前から存在していました。実際取り組んできた人たちもいます、。しかし実現できた事例はほとんど聞きません。それはなぜ実現できなかったのか。あるいは実現したくない人がいたのではないか、または実現する必要性が本当はこれまでなかったのに声掛けだけが行われていたのか。このあたりも観点に加えたいと思います。

 二つ目は「ネットワークを実現することは本当にできるのか」。これまでやってきたことの延長線上でやるのであれば、単にまた繰り返すだけで形骸化してしまいます。過去の延長ではない、本当に新しい可能性を創るものとして取り組むことができるのか。現在の社会環境や利害関係者の状況はネットワークの実現を許すものなのか。このあたりも観点として持っていこうと思います。

 そして三つめは「実現したネットワークは継続することができるのか」。ネットワークを肝いり・力技で実現しようと思えば実現できるでしょう。しかし、単にネットワークを存続することだけが目的になったら、形骸化の道をたどることになります。ネットワークの存在価値・継続価値を評価・分析し、時流に合わせて変容させることが可能なのか。このあたりも議論したいと思います。

 ちなみに今後、農林水産業に限らず、こうしたネットワークによる事業活動は必然になっていきます。むしろ、すでに必然となっており、乗れなければ生き残れないというところに来ているといっても過言ではありません。小難しい言葉も多いですが”事業にはネットワークというものが必要になっている”ということを知り、”ネットワークとはどういったもので、どう動いていくのだろう”というところを考え、そして”ネットワークとどうかかわっていくか”を決めていくことは、確実に事業に関わる方々、とくに責任者的立場の方々は意識を向けておく必要があります。

 イベントの詳細は以下のページをご覧くださいませ。

 ■戦略的技術開発体制推進セミナー 開催のお知らせ | 公益財団法人 未来工学研究所