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事業脚本家という生き方。

フィールド・フロー代表取締役 渋谷 健のブログ。

農林水産省事業「戦略的技術開発体制推進セミナー」大阪レポート ~最大の課題は”ひと”~

 2/22は農林水産省事業「戦略的技術開発体制推進セミナー」の第6弾を大阪で開催してきました。この日は花粉症のためにコンディションが悪く、お聞き苦しい進行となってしまい、来場された皆様にはお詫び申し上げます。内容は、人の育成の重要性に強く焦点があてられました。

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 今回は農業法人の株式会社穂海 代表取締役 丸田氏が登壇。実際の農業法人の経営現場からの本音をうかがえる貴重な機会となり、来場された皆様も非常に関心を寄せていました。とくに同社ではコメの流通モデルを変え、消費者だけではなく、生産者にもコメを提供するビジネスモデルを確立しており、事業に対するチャレンジは目を見張るものがありました。

 続いてのパネルディスカッション。冒頭にあったのは「失敗」の体験も共有したいという言葉でした。成功事例はたくさんあれど、失敗した事例はほとんど出回らない。しかしながら、失敗から学ぶことは多い。つまり「失敗を通じて得た学び」を共有していくことが、日本の農林水産業においては非常に重要という意見が強調されました。

 そして「失敗から学ぶ」という観点から次に出てきたのはリスクマネジメント。事業にはリスクがつきもので、このリスクをどこまで抑え込むか・対応可能なものにするかが重要だという議論に移ります。結局のところ、リスクを抑えるためには多くの知見や支援が必要であり、リスクマネジメントの観点でもネットワークは必要性が高いという議論となりました。

 とくに長期的な観点で研究開発・事業投資を行う場合はリスクが非常に高くなります。またリスクを乗り越えた先にあるリターンについても、抽象的なものしか見えなくなります。したがって、ネットワークを構成しておくことは、とくに長期的な観点で研究開発や事業を行っていくうえで有効だということが見えてきました。

 しかしながら、これらネットワークを活かし、リスクマネジメントを行い、失敗からも学んでいくためには、ネットワーク全体を統制していくことが必要です。当然ながら、ネットワークを統制できる人が必要となります。また、統制するひとだけでなく、参加するひともネットワークを理解していなければ瓦解してしまいます。しかしながら、こうしたひとは育っていないのが実情です。議論の中でも、結局はネットワークを活かして成果を創り出していくひとが育っていないことが大きな課題として共有されました。

 では、どうするか。幸いなことに天才的にやれてしまう、個の力で突破できるひとは決して多数ではありませんが存在します。こうした個の力で動ける、いわゆる“出る杭”を徹底的に伸ばす。そして“出る杭”がなぜ“出る杭”になり得たのか、成果に結びついたのかを研究し、定石として何が必要かに落とし込み、教育プログラムにして展開していくことがひとつのやり方として考えられます。いずれにおいても、ひとを育成していく、次世代を育てる、ということは研究ネットワークを価値あるものにしていくために重要な要素になりそうです。