事業脚本家という生き方。

フィールド・フロー代表取締役 渋谷 健のブログ。

農林水産省事業「戦略的技術開発体制推進セミナー」仙台レポート ~実践者なきネットワークは意味をなさない~

 1/25に仙台にて農林水産省事業「戦略的技術開発体制推進セミナー」の第2弾を開催いたしました。冬の東北は冷えますが、会場からも多様な意見が出てくる熱い場になりました。パネルディスカッションはこうならないと面白くないですね。そして見えてきたことは、結局何をやるにしても”実践者”が真ん中にいなければ面白くない。農林水産業であれば、生産者がいなければ面白くない・何も生み出せない、ということでした。

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 今回も私はパネルディスカッションのファシリテーターとして参加いたしました。テーマは東京のときと同じ、農林水産業に関わる大学・企業・生産者などによる研究ネットワークの在り方についてです。ただ、今回は会場にも生産者や生産者により近いところで活動されている方が多かった、というのが特徴です。だからこそ、会場からも

 ・そもそも研究ネットワークとは何か、イメージがあっていない

 ・研究ネットワークとのかかわりはどの程度拘束されるのか、自由にやめたりできるのか

 ・消費者のニーズも考えるべきだ

などなど、そもそものところからの議論もあり、本当に活発な議論になりました。ファシリテーターとしても、こうやって混沌とした意見が出てくるほうが楽しいですね。

 

 今回の議論の結果、出てきた意見を改めてると以下のようなものになります。

・生産者の抱えている課題を解決するために、研究ネットワークを通じて企業や大学の知見を活用することができる

・企業や大学が研究・開発した技術が利用可能なものかを実証するために、より実践的なものにするために、研究ネットワークを通じた生産者の知見が必要となる

・消費者のニーズまで含めて、市場を創生する力としても研究ネットワークは貢献し得る

・研究ネットワークは多様であってよく、身近な勉強会のレベルから世界的な事業のレベルまで折り重なっているものである

・このなかで、より魅力的な研究ネットワークとして、必要な人・情報・機会にアクセスできる研究ネットワークを実現していくべきである

・そのためには共通のデータベースを創っていくことも重要であり、今回の施策の要点でもある

・ただし、すべてを新しく創る必要はなく、既存の資源を有効活用していくことが効果的である

・研究ネットワークは参加者を固定化するものではなく、必要に応じて常に新陳代謝していくものである

 

 全体を総合すると、”実践者がいること”の重要性が非常に意識された場になりました。実践者には言葉にできない暗黙知が常に蓄積されていきます。それは研究開発にも研究にも事業化にも活用できます。だからこそ、実践者を中心にネットワークは形成すべき、という意見に集約できました。そして農林水産業においての最大の実践者は生産者。今回の事業で狙う研究ネットワークでは、生産者を巻き込むことを特徴として掲げています。しかし、それは今後農林水産業を発展させること、事業として展開すること、社会価値を実現することを考えれば、必然のことなのだと改めて明確になった時間でした。

 そんなわけで仙台でのパネルディスカッションも終わりましたので、仙台空港から次の目的地へ。

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